9月9日の『関ジャム』は
「プロが見たらすごいアイドルソングを特集!」
*常田真太郎(スキマスイッチ)
・楽曲提供したアイドル
関ジャニ∞、W-inds、ソニン
*本間昭光(音楽プロデューサー)
・手がけたアーティスト
いきものがかり、ポルノグラフィティ、浜崎あゆみ
・手がけたアイドル曲
V6、Wink、関ジャニ∞、ももいろクローバーZ
*松尾潔(音楽プロデューサー)
CHEMISTRYや平井堅など多くのアーティストをプロデュース
プロが唸ったアイドルソング9曲
君だけに 少年隊('87)
松尾潔さんが選んだ1曲目
①フィラデルフィア・ソウルの日本的解釈で最高の1曲
②ジャニーズの歌って踊れるバラード
《松尾潔さんコメント》
スウィートソウルならではの美しいサウンドを取り入れながら、メロディーは洋楽ベクトルに暴走することも歌謡曲的うまみから外れることもなく、「単なる洋楽のマネでは終わらせない」という気概を感じる。
さらに高音部を地声で苦しげに歌っているのがポイント。
「成熟」「官能」といったスウィートソウルの特色を「青春」「純愛」というアイドル歌謡ならではの魅力に転じさせることに成功した。
赤いスイートピー 松田聖子('82)
本間昭光さんが選んだ1曲目。
作詞:松本隆 作詞家。バンド「はっぴいえんど」のドラマー
作曲:松任谷由実 「呉田軽穂」名義で楽曲提供
①松田聖子の新たな魅力を引き出したABAメロディー構成
②アーティストがアイドルに提供したまさに真骨頂の1曲
《本間昭光さんコメント》
松任谷由実が松田聖子に初めて提供した曲。
19歳の松田聖子にロマンティックな曲を歌わせることで新たな魅力を引き出すことに成功。
アーティストが楽曲を披露する新しいプラットフォームとしてのアイドルソングを確立した。
●竹内まりや▷河合奈保子 ♪けんかをやめて('82)
●中島みゆき▷柏原芳恵 ♪春なのに('83)
●松任谷由実▷原田知世 ♪時をかける少女('83)
●井上陽水▷中森明菜 ♪飾りじゃないのよ涙は('84)
●尾崎亜美▷松田聖子 ♪天使のウィンク('85)
●角松敏生▷中山美穂 ♪You're My Only Shinin'Star('88)
行くぜっ!怪盗少女 ももいろクローバー('10)
常田真太郎さんが選んだ1曲目。
①ヒャダイン作詞・作曲のルール無用曲
②躊躇のない場面転換、そして展開
《常田真太郎さんコメント》
セクションごとにAメロ、Bメロ、サビでまるで雰囲気が違うアレンジは、ヒャダインが最初だと思う。
アレンジは、イントロからの流れで起承転結があるが、この曲にはセオリーが全くない。
ミュージカルのような急な展開に驚いた。
ハイティーン・ブギ 近藤真彦('82)
本間昭光さんが選んだ2曲目。
- アーティスト: 近藤真彦,伊達歩,松本隆,織田哲郎,売野雅勇,ちあき哲也,高橋研,後藤次利,松下誠,馬飼野康二,大谷和夫
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1987/06/03
- メディア: CD
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《本間昭光さんコメント》
あの山下達郎が「アイドルに楽曲を提供するのか!?」と驚いた。
しかも、音だけ聴くと達郎さんの作風とは思えず、しっかりアイドルサウンドに仕上がっている。
とはいえ、一度聞くだけで残るメロディーメイクはさすがの一言。
世界には愛しかない 欅坂46('16)
常田真太郎さんが選んだ2曲目。
アイドルソングらしからぬ手法が満載の攻めた1曲。
《常田真太郎さんコメント》
ど頭でいきなり叫ぶ。
Aメロはポエトリーリーディング。
しかも、歌わないのにオケをしっかり作っている。
※ポエトリーリーディング (英語: poetry reading)
主に詩人が自作の詩を読み上げることを指すが、広義には詩を朗読するアート形態そのものをさす。
ラップミュージックにのせて詩を読んだり、ビートボックスとコラボレーションして詩を読んだりという形態もある。
(Wikipedia ポエトリーリーディングより引用)
NOW AND FOREVER Folder('97)
松尾潔さんが選んだ2曲目。和製マイケルジャクソン誕生を予感させた1曲。
《松尾潔さんコメント》
当時10歳の三浦大知(DAICHI)が声変わり前ならではのボーイソプラノで歌いきっている。
高音部でもメタリックにならず、体温を失わない声質だけでなく、パワフルな声量。
ボーカルだけでダンスを感じさせるタイム感の非凡さなど、この時代のDAICHIのボーカルにはマイケル・ジャクソンとの類似点が多く見受けられます。
※タイム感:独特な歌のタイミング、感覚
あなたに会えてよかった 小泉今日子('91)
本間昭光さんが選んだ3曲目。小林武史が作った画期的なイントロから始まる名曲。
《本間昭光さんコメント》
不安定な長7度音程から始まるメロディーが画期的だった。冒頭サビからいきなりEキーからBキーへの転調も見事。
それまでのアイドルソングには無かったビートルズ感を小林武史さんが演出。ABAというシンプルな進行の名曲。
大スキ! 広末涼子('97)
常田真太郎さんが選んだ3曲目。
岡本真夜が手がけた歌詞が秀逸な1曲。
《常田真太郎さんコメント》
歌詞の小さい「っ」の使い方が上手い!!
音節に入れることで跳ねている感じを出している。サビは一聴してキャッチーで強烈なメロディーと歌詞。
「とってもとっても…」と「あいあいあい…」を同じメロディーに乗せても全く違和感がない。
大阪レイニーブルース 関ジャニ∞('05)
松尾潔さんが選んだ3曲目。方言を効果的に使った傑作アイドル歌謡。
- アーティスト: 関ジャニ∞,MASA,TAKESHI,馬飼野康二,吉岡たく
- 出版社/メーカー: インフィニティ・レコーズ
- 発売日: 2015/07/01
- メディア: CD
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《松尾潔さんコメント》
タイトルが堂々と「悲しい色やね」へのオマージュであることを宣言。
ギターのループ感を強調したフォーキー・ソウルとも言うべき傑作アイドル歌謡です。
サビの秀逸さは、リフ感の高い人懐っこいメロディーもさることながら、「かえられへん 戻られへん」「忘れられへん 離れられへん」という大阪弁を使った歌詞に尽きるでしょう。
今までの関ジャム